中原淳一


中原淳一さんの描く女性の絵には見ているうちにその世界に吸い込まれるような不思議な力があります。 まさに魅了するという言葉がぴったりくるような、独特の世界観。


私はとくに淳一画の初期の作品が大好きで、着物の女性の画は見ているだけでため息が出るほどに愛らしいです。 憂いをおびた表情は特に逸品で、少し遠慮がちに微笑む着物女性の画には着物の柄や帯の結びなど、 淳一さんのセンスが細かく見てとれいつまでも眺めていたい気持ちになります。


微笑んでいる少女やきりりとした表情の女性。 中原淳一さんの描く女性に共通して言えるのはきちんと自分で考える、意思のある女性像です。 実際に淳一さんの著書にあるお言葉にも、恥じらいを忘れない可愛らしい女性であるとともに、 周りに流されない自分の考えで歩む女性の道を提唱しています。


私がアンティーク着物に目覚め「着縁」を開店し10年。 常に淳一さんの画くような素敵な着物女性を自分の手で作り出したい!という一心でコーディネートから着付け、ヘアセットをさせて頂きました。 今回は10周年を記念して昭和初期に中原淳一さんが描いた千代紙柄を色、柄ともに完全復刻。 淳一さんのデザインした千代紙柄は今回が始めての復刻になり、このような機会を頂けたことは、淳一さんの熱狂的ファンとしてはとても光栄に思っています。


国内の職人さんによって一つ一つ丁寧に染めてもらった贅沢な風呂敷は普段使いから着物にも合わせて頂けるように作らせて頂きました。


淳一画を見て思う事のひとつに日本女性を最も美しく見せてくれる衣裳はやはり着物なのでは、と思っています。 隠す分量の多い着物ならではの香るような女性らしさ。 制限の多い着こなしだからこそ、ふっとにじみ出るようなその人らしさ。 意思があるのに恥じらいもある可愛らしい少女のような女性・・・・。 そんな淳一ワールドの着物女性をたくさん日本に増やしていきたい! そんな思いで今日も下北沢の片隅で着物屋「着縁」を営んでいます。

小田嶋 舞